どんなわたしも大切な仲間〜パーツ心理学とは
こんにちは
女性のためのオンラインカウンセリング日和風
佐藤海糸です。
生きづらさから抜け出し、その先に行くためには
「わたし」の中のパーツさんたちの存在に気づいていくことが、大切になります。
今日は、パーツ心理学について、少しご紹介しようと思います。
1 パーツ心理学とは
パーツ心理学のパーツ(parts)とは、パート(part)の複数形です。
パート(part)とは、部分 役割 分担
パーツ心理学とは
「わたし」という存在を全体としたとき
「わたし」の中にはいろんなパーツさんがいて、
それぞれのパーツさんは、役割を分担して、存在している
そんな複数のパーツさんの集まりが「わたし」である
そんな捉え方の心理学です。
2 わたしの中のいろんなパートさん
例えば
仕事をしているとき
親しい人と過ごしているとき
趣味に没頭しているとき
ひとりでいるとき
というように
環境や状況、一緒にいる人によって、自分の状態が変わっていることはありませんか?
仕事をしているときなら
しっかりさん
きっちりさん
冷静さん
がんばり屋さん
大人のパーツさん
が前面に出て、頑張っているかもしれません。
親しい人と過ごしているとき
無邪気さん
子どものパーツさん
本来のわたしさん
が出ていて、リラックスされているかも知れません。
親しい人と過ごしていても
どこか緊張していたり、寂しさを感じていたりする方もいるかもしれません。
警戒さん
さみしいさん
が出てくる方もいるかもしれません。
ひとりの時に、さみしさを感じたり、不安になったりする方もいるでしょうし
ひとりの方がリラックスできて、本来のわたしさんが登場している方もいるでしょう。
このように、パーツ心理学では、わたしの中のいろんな側面だったり、役割を担っている部分を、ひとつのパーツと捉えていくんです。
3 なぜパーツ心理学の視点が大事なのか
自分自身の癒しや、セッションでご一緒する中で、心理セラピーをすすめていくと、過去に傷ついた体験をした自分と出会うことがあります。
傷ついた体験をした過去の自分のことを、インナーチャイルドと言ったりします。
私がよく使うセラピーの一つ、マトリックス・リインプリンティングでは、エコーと呼んでいます。
セラピーがすすんでくると、過去に傷ついた体験をした自分、エコーと対話をしていくことがあります。
その時に、対話をさせないように働きかけてくる存在が出てきたりするんです。
まるで、エコーとの対話を邪魔をしてくるような感じで。
そういう時は、その存在を脇に置いて、エコーとの対話を進めていくのですが、これがなかなか進まないことも多いんです。
そこで、エコーとの対話の前に、邪魔をしてくるような存在に眼差しを向け、話しかけて、対話をしていってみたんです。
すると、その存在は邪魔をしていたんではなかったことがわかってきました。
一見、邪魔をしてくるように見えていた存在も、「今のわたし」や、過去に傷ついた体験をした自分を守るために一生懸命だったんです。
一見邪魔をしてくるように見えていた存在の本質が見えてくると、邪魔に見えていた存在は尊い存在になり、敵ではなく、味方となったんです。
そんな体験があり、自分にとって、邪魔なもの、なくなってほしい部分にも、優しい眼差しを向けていくことが大切なのではないかと思うようになったのです。
そんな中、パーツ心理学と出会い、自分自身の癒しや、セッションにも取り入れるようになりました。
4 パーツが存在し続ける理由とは
こんなパーツさんがいたりしませんか?
人の目が気になって仕方がない、ビクビクさん
何かのきっかけでカッとなってしまう、ピリピリさん
いつも何かしていないと落ち着かない、ソワソワさん
ひとりでいるのが怖い、さみしいさん
失敗が怖い、ビクビクさん
自分に自信が持てない、オドオドさん
後から、グルグル考え込んでしまう、ひとり反省会担当さん
ダメな自分を責めるツッコミパーツさん
さらに
間食をやめたいのに止まらない
もっと他のことに時間を使いたいのに、テレビやネットをダラダラ観てしまう
といったように
やめたいのに、やめられないとき
やめたいと思っているパーツさん
やめたくないパーツさん
やめられない自分を責めるパーツさん
このようなパーツさんが、自分の中に存在していると思うと
どうにかしたいし、変えたいし、消えてほしいと思いますよね。
こんなパーツさんたちのおかげで、たくさん苦労してきたのではないでしょうか。
今も、苦労しているかもしれません。
こんなパーツさんは、いなくなってほしいと思うのも、当然ですよね。
わたし自身も自分の癒しとなると、イヤなパーツはいなくなれ~!と、思ってしまいます。
でも、それぞれのパーツさんたちも、たくさん苦労してきているんです。
苦労しながら、自分の役割を果たそうと一生懸命がんばっているんです。
どうして、みんな、そんなにがんばっているのか
それは
「わたし」や
「傷を一身に担ってくれたパーツさん」
を守るためなんです。
みんな、「わたし」を守るために存在しているんです。
もう二度と
傷つかないように
酷い目に遭わないように
恥ずかしい思いをしないように
悲しい思いをしないように
みんな、がんばっているんです。
5 どんなパートも大切な仲間
パーツ心理学では、パーツさんをなくそうとしたり、ムリやり変えようとすることはしません。
本来、パーツさんは、「わたし」を守るためだったり、「わたし」がよりよく生きていけるようにという同じ目的で存在しています。
目的が同じなら、お互いが協力できた方がいいですよね。
協力していくには、お互いを知ることが大切。
パーツを知るために、パーツ心理学では、パーツさんと対話をしていきます。
人との関係と同じです。
イヤなヤツだと思って距離と取っていた相手と、じっくり話をしてみたら
「なんだ、そうだったのか」と誤解が解け、実はいいヤツだったみたいなことはありませんか。
パーツ心理学でも、パーツさんと対話をしていきます。
対話をして、知ることで、パーツ同士がつながっていくことを目指しています。
6 パーツさんとの対話を進めていくために大事なこと
パーツさんって、イヤなパーツさんばかりではないんです。
例えば
勉強をがんばってきたパーツさん
資格を取ったパーツさん
仕事をしてきたパーツさん
家事ができるパーツさん
家族を支えてきたパーツさん
趣味を楽しめるパーツさん
リラックスできるパーツさん
と、「わたし」を支えとなるパーツさんがいます。
パーツさんとの対話をしていくのは、「今のわたし」です。
セラピストは、「今のわたし」とパーツさんが対話しやすいようにサポートしていきます。
「今のわたし」が、イヤなパーツさんと対話をすすめていくには
「わたし」を支えてくれているパーツさんの存在に気づいて、まずはそのパーツさんと対話をしていくんです。
そうすることで、少しずつ、仲間を増やしながら、イヤだと思っているパーツさんとの対話をすすめていくんです。
わたしには、支えになっているパーツなんていないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そういう風に感じられることも当然です。
でも、何もないことはないんですよ。
今、こうして、ここにいる、存在している「今のわたし」がいます。
生きづらさを抱えながらも、何とかギリギリでも、こうして今ここにいられているということは、今までがんばってこられたパーツさんがいるんです。
今もがんばり続けているパーツさんがいるんです。
気づいていないだけかもしれません。
まずは、支えになるパーツさんを探してみたり
「今のわたし」がパーツさんたちと対話ができるように力を蓄えていくことが
パーツさんとの対話には、実はとても大事になってきます。
今日は、パーツ心理学について、ご紹介いたしました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。