感情解放セラピーEFTタッピングの活用法〜応急処置編〜

こんにちは。

心に優しい身体カウンセリング日和風
佐藤海糸です。

EFTはセッションやセルフワーク、普段の生活でもよく使うセラピーのひとつです。

 

1.EFTとは?

 

EFTとは、Emotional Freedom Techniqueの略で、直訳すると、感情を自由にする技法となります。

東洋の気の思想と、西洋の心理セラピーを統合したテクニックで、エネルギー心理学に分類されています。

 

例えば、呼吸は、外界から酸素を取り入れ、二酸化炭素を排泄して、常にガス交換しています。

食事も、口から摂取すると、胃や十二指腸で消化され、小腸で吸収、肝臓で代謝、大腸や腎臓、膀胱を通って排出されます。

ポンプの役目をする心臓から送られてくる血液は、全身の各器官や細胞の隅々に新鮮な酸素や栄養素を運び、さらに不要になった炭酸ガスや老廃物を受け取って、体の外に排出するために絶え間なく流れていきます。

 

このように、私たちの体は、常に動きがあって、常に流れています。

そして、入ったものは出ていきます。それが自然です。

これらがどこかで滞るようになると、体に負担がかかってきます。

しばらくは無理して頑張れても、この状態が続くと、体が耐えかねて様々な不調となってあらわれてきてしまいます。

 

生まれてくる思い・感情・感覚も目に見えないものですが、しくみは同じです。

わいてきた思いや感情、感覚がそのまま流れていけばいいのですが、自分のなかにとどまったままになっていると、不自然な状態となってしまいます。

 

EFTは、解決したい問題に意識を集中させながら、鍼灸などで使われる経絡にあるツボを、指で軽く刺激(タッピング)していきます。タッピングしながら出てきた感情に焦点をあて、深呼吸で流していくというものです。

EFTは欧米では病院・学校・企業などで導入されている世界でも信頼されているセラピーです。

 

2.EFTタッピングの実際

 

先日、クローゼットの片付けをしていたときに、高いところにあった箱を取り出そうとしたら落としてしまい、箱の角が足の小指に、見事にピンポイントであたってしまいました。

そこで、即座にEFTタッピングをやってみました。

 

足の小指にあるズキズキする感覚に意識を向けながら、タッピングを続けていきます。

すると、こんな思いや感情が出てきました。

 

思い→もっと気をつければよかった       感情→後悔

思い→なんでこう、おっちょこちょいなんだろう 感情→情けない

思い→骨折してたらどうしよう         感情→不安

思い→痛い                  感情→悲しい

思い→あー、(箱の角が)刺さる!       感情→恐怖感

 

最後に、箱が落ちていくシーンが出てきました。

箱が足の小指めがけて落ちていく様子がスローモーションのようにゆっくりと見えています。

その時、なすすべもなく、落ちていく様をただみていることしかできなくて、ただただ怖かったんだということがわかりました。

そして、本当はヒョイって足を引っ込める動作がしたかったんだということがわかり、その動作を実際にやってみるということを行なって終わりました。

 

3.感情が流れていくと痛みがなくなる?

 

「痛み」というと、痛いものは痛い、どうしようもないものと思ってしまいますが、「痛み」というのはある感覚に対しての解釈(思い)です。

今回の場合だと、小指がズキズキする感じという感覚に対して、「痛い」と思っているということなのです。

私たちは、何か体験した時、思い・感情・感覚をセットで感じています。

なので、今回の場合はズキズキするという感覚に意識を向けてタッピングを続けていたら、「痛い」だけではなく、そこにあった思いや感情が出てきたというわけです。

EFTは感情を自由にする技法ですので、感情に気づいて、その感情に意識を向けながらタッピングをし、深呼吸で流していくと、その時感じたネガティブな感情が流れていきます。

ネガティブな感情が流れていくと、思いや感覚も一緒に流れていったり、気にならなくなってきます。

この場合は、痛いという思いやズキズキとした感覚が気にならなくなったということです。

 

では、足の小指は実際にはどうなったのかというと、あとから、しっかりと内出血のあとが出てきました。

痛みはすぐになくなったけど、箱が足の小指に落ちたということ自体はなくなるわけではないということですね。当たり前だけど。

 

ここで、補足ですが、同じような体験をしていても、思うこと、感じること、その強弱などは人それぞれ違いますので、細かい中身については、一個人の体験として読んでいただけるといいかと思います。

 

4.大きな体の痛み・心の痛みだとしたら

 

足の小指に箱の角が落ちてきたという、よくありがちな、ちょっとしたことかもしれません。

それでも、あれだけの思いや感情が、ズキズキという感覚と一緒に生まれてきました。

 

もっと大きな体の痛みや心の痛みを体験したとしたら、どうでしょう。

または、大きくなかったとしても、繰り返し体験し続けたら、どうでしょう。

 

想像したら、圧倒されそうになる方もいらっしゃるかもしれません。

でも大丈夫です。

 

心や身体が痛む体験をしたら、全て、とどまってしまうわけではありません。

同じような体験をされても、ネガティブな思いや感情・感覚がとどまっていないこともたくさんあると思います。

それは、EFTなどのセラピーを使わなくても、誰かが話を聞いてくれたり、一緒に怒ったり、泣いてくれたり、ただそばにいてくれていたり、他にもあるかもしれませんが、なんらかの方法で、流れていっていることもたくさんあるからです。

 

もし、その時

誰もいなくて、ひとりだった。

衝撃的なことで、どう対処したらいいかわからなかった。

対処する術がなかった。

あとからでも誰かに話す機会がなかった。話せなかった。話しても伝わらなかった。

 

そんなこともあったかもしれません。

その時、表出することができなかったことが悪いことではありません。

心と体が無意識のうちに、その時その行動を取ることが自分を守る最善だと判断していることだからです。

 

表出することができないまま、ネガティブな感情や感覚、思いが自分の中にとどまり続けているとしたら、心や身体がしんどくなってくるのも自然なことです。

 

そして、とどまっているものは、いつからでも動きを取り戻すことができます。

 

大きな痛みだとしたら、時間はかかるかもしれませんが、玉ねぎの薄皮を一枚一枚剥がしていくように、ゆっくり、少しずつ、自然の流れを取り戻していく方がたくさん、いらっしゃいます。

 

EFT以外にもたくさんの方法があります。

EFTは感情に意識を向けていくセラピーですが、身体へ意識を向けていくものや、思いに意識を向けていくものなど、様々な方法があります。

ご自身の性質や今の状態に合ったものが、必ずあります。あきらめずに、ピンときたものがあたら、色々試してみてはいかがでしょうか。

 

5.EFTを活用するには

 

EFTは感情に意識を向けていくセラピーなのですが、そもそも自分がどう感じているのか、どんな感情がわいているのか、わかっていないことが多いのではないかなと思うのです。

私自身もEFTを学び始めた頃は、自分の感情がさっぱりわからなくて、EFTを使うことが全然できませんでした。

今でも、自分の感情をすぐにキャッチすることは苦手です。

大人になると特に、自分がどう感じているのかは脇に置いて、やらなければならないことをこなすということが優先され、感情(特にネガティブな感情)に意識を向けることに慣れていない方も多いのではないでしょうか。

 

そんな方には、まずは、自分が何を感じているのか、もしくは特に何も感じていないのか、ほんの少し、自分に意識を向けてみてはどうでしょう。

ずーっと意識し続けるというのは無理なので、時間を決めたり、シチュエーションを決めて、その間だけちょっと意識を向けてみます。

はじめは、何も感じない、よくわからないかもしれませんが、繰り返しやっているうちに何か感じることがあるかもしれません。

無理せず、ご自分のペースで。気が向いたら、思い出したら、やってみるくらいの軽い気持ちでどうぞ。

そして、合わないなと感じたり、今はムリと思ったら、やらなくていいですからね。

 

やってみたけど、よくわからない。ひとりでやるのは不安、怖い。でも試してみたい。

そんな方はセッションでご一緒することもできますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

またお会いできたら嬉しいです。

 

ではまた

心に優しい身体カウンセリング日和風
佐藤海糸でした。