癒しに手遅れなことはない〜マトリックス・リインプリンティングとは?

こんにちは。

心に優しい身体カウンセリング日和風
佐藤海糸です。

 

日和風のセッションで、時々登場するマトリックス・リインプリンティングというセラピーがあります。

マトリックス・リインプリンティングとは、潜在意識に生き続けている「過去に傷ついたわたし」に会いに行き、「今ここにいるわたし」が助けにいくセラピーです。

今日は、マトリックス・リインプリンティングについて、少しご紹介します。

 

1.Matrix Reimprinting(マトリックス・リインプリンティング)とは?

 

Matrix Reimprinting(マトリックス・リインプリンティング)は、EFTマスターの一人であるカール・ドーソンによって、2006年に開発されたセラピーです。

EFTとは、Emotional Freedom Techniqueの略で、タッピングしながら感情解放するセラピーです。
マトリックス・リインプリンティングは、EFTの発展型のセラピーと言われています。

 

また、量子物理学の考えをベースとしています。

量子物理学の考えをベースとしているとは、どういうことなのでしょうか。

量子物理学が出てくる以前は、固体をベースにした世界観が一般的でした。
物質は変わることのない質量として捉えられていました。

量子物理学では、今まで考えられていたように世界は固体ではなく、 エネルギーで構成されていて、そのエネルギーは粒子性と波動性を有していると捉えています。

 

「量子論の父」とも呼ばれるドイツ人ノーベル賞物理学者マックス・プランクは、宇宙に存在するあらゆるものの根源であり、すべてをつなぐエネルギー・フィールドがあると述べ、これを「マトリックス」と呼びました。

マトリックスとは、素粒子が振動しているだけの無機質な空間ではなく、物事を創造する知的なマインド(あらゆる情報)として捉えられています。

このすべての生命体をつないでいるエネルギー・フィールド(マトリックス)に対して、個人のフィールドをローカル・フィールドと呼び、その人固有の身体、記憶、思い、感情、行動、習慣、くせなどが情報として貯蓄されていると考えられています。

ローカル・フィールドとは、言い換えれば、個人の意識のことです。

意識というのは、顕在意識と潜在意識があり
そのうち96%ほどが潜在意識であるといわれています。

 

マトリックス・リインプリンティングでは、潜在意識にアクセスすることで、自身のローカル・フィールドにアクセスすることができると捉えています。

マトリックス(エネルギー・フィールド)上には時間は存在せず、過去も未来もなく、今ここだけがあると考えています。

つまり、「過去に傷ついたわたし」は、フィールド上にエネルギーのホログラムとして現在進行形で生き続けています。

マトリックス・リインプリンティングでは、この現在進行形で生き続けている「過去に傷ついたわたし」のことを「エコー(Energetic Consciousness Holograms、エネルギー意識ホログラムの略)」と呼んでいます。

過去に傷ついたエコーに会いに行き、タッピングをすることで、エコーの感情を解放し、その時作り出された思いも変化が起こるセラピーなのです。

 

量子物理学やら、エネルギーフィールド、ローカルフィールドとか言われても、よくわからないですよね。

私もそうでした。

私自身、初めてセミナーを受けた時は、さっぱりわかりませんでした。

自身もセッションを受けたり、自己ワークをしたり、セッションでご一緒させていただく中で、体験を通して、理解しつつあるという感じです。

ということで、実際のセラピーの様子を通して、どんなセラピーなのかもう少しみてみたいと思います。

 

2.マトリックス・リインプリンティングの実際

 

これは、数年前に、私自身の悩みをテーマにしたものです。

当時、自分の仕事ぶりについてこんな風に悩んでいました。

 

「暇な時がない。いつも忙しい。時間内に仕事が終わらず、ほとんど毎日のように残業しているし、仕事の処理能力がないのではないか」

 

この悩みだと、個人の能力が劣っていることが問題のようにみえます。
本当にそうなのか、職場にいる間、自分は何をしているのか、どんな風に過ごしているのか、自分で自分を観察してみました。

 

そうしたら

 

「間違いがないように、見直しに時間がかかる」
「訪問から帰ってくると、しばらくぼーっとしないとすぐに仕事に取りかかれない」
「文章をまとめるのが苦手、時間がかかる」

といった思いや状況が見えてきたのですが、さらに興味深かったことがありました。

 

それは

 

「職場で困っていそうな同僚がいると、誰よりも早く、手助けに行っている」
「職場にいるときは、困っている同僚がいないか、常にアンテナを張っている」

 

そんな自分でいることに気がついたのです。

 

バウンダリー(境界線)の捉え方でいうと、自分の領域にいる間も周りの様子を伺っていてソワソワ、何かあればすっ飛んで、相手の領域に顔を突っ込んでいる感じ。

 

そんな風にしていたら、いつも落ち着かなくて、自分の仕事に集中できないし、人が少なくなる時間外でないと仕事がはかどらないというのも、当然だなあと思いました。

そんな自分の行動パターンに気がついたものの、それをやらずにはいられない感じがありました。

 

どうして、そんな風な振る舞いになっているのか、さらにみていくと

 

「私は職場にいる誰よりも役に立たなければいけない」

 

という強い思いと、同時に焦りのような胸がザワザワする感覚がありました。

 

どうしてそこまで思うようになったのか、胸がザワザワする感覚にとどまっていると

 

「怖いっ!!」

 

と、ものすごい恐怖感とともに

 

人か動物かはっきりわからないのですが、何かの集団が突然襲ってきて、集落の人たちで馬車の荷台に乗って逃げていたら

一緒に乗っていた男性が、突然「お前だ!」と言いながら、わたし(エコー)を突き落としたのです。

出てきたエコーに、その時の感情や思いを丁寧に聞き取っていきます。

そして、どうして突き落とされたのか、エコーにたずねてみます。

「誰かが犠牲になれば、みんなが助かる」

「私には夫も子供もいないから、いなくなっても、誰も困らないし、悲しまない」
「男でもないから腕力もないし、今の状況ではなんの役にも立たない」

 

「馬車の中で、一番、必要のないのは、私」

 

という思いが出てきました。

 

その思いとともに感じていた、悲しみ、虚しさ、絶望感など感情をタッピングしていきます。

 

タッピングを続けていくと、落ち着いてきました。

 

落ち着いてきたところで、本当はどうしたかったのか、エコーにたずねてみると

 

「みんなで、やっつけたい」

 

馬車に乗っているみんなで力を合わせて、何かの集団をやっつけます。

みんなで集落に戻り、お湯を沸かして、お茶を飲んで、安心したところで、セラピーは終わりました。

 

3.エコーを癒すことで、今ここが変化する

 

出てきたイメージのエコーは、今のわたしの姿ではなかったんですね。

中世のヨーロッパの中年女性のような姿でした。

今のわたしの姿ではないけれど、そのエコーはわたしだという感覚がありました。

こういうエコーの場合、過去生と言われる方もいらっしゃるし、過去の自分が違った形で出てきたという方もいらっしゃいます。

この辺りは、わたしにはよくわかりませんが、ただ、出てきたエコーはそのまま受け止めていけばいいのだと思っています。

今回のように全く姿を変えてあらわれることもあれば、小さい頃のわたしが出てくることもあります。

 

今回の例では

「私は一番必要のない人間だから、突き落とされたんだ」

「誰よりも必要な人間、役に立つ人間であれば、助かったんだ、生き延びられるんだ」

 

だから

「誰よりも役に立たなければいけない」

という思いが作り上がったのです。

 

職場の中で、探してまで困っている同僚を手助けするという、極端な行動を取っていたのです。

 

セラピーのあと、職場でどうなったかというと、「人の役に立ちたい」という思いはあるんです。

でも「職場の誰よりも役に立たなければいけない」という極端な思い込みは弱まり、職場で困っている人を探すようなことはなくなりました。

以前よりも落ち着いて自分の仕事に取り組めるようになりました。

 

エコーが、現在進行形で存在し、今ここにいる私の言動へ影響を与えていたんです。

エコーに寄り添い、対話をする中で、その時感じたネガティブな感情を解放したり、その時出来上がった思いに気づいたり、本当はどうしたかったのか、本当の願いなどを聞いたり、実際にやりたかったことをやってもらったりしていくことで、エコーが癒されると同時に、今ここにいる私にも変化が見られたのです。

 

4.今ここのわたしが、助けに行く

 

マトリックス・リインプリンティングでは、今回の例のような、日常生活を生きづらくさせているネガティブな信念が解放されたり、書き換えられたりすることがあります。

今、悩んでいることの改善を目指しています。

 

それだけではありません。

 

今まで全く気づかれず、ずっと生き続けていたエコー
なんとなく気づいていたけれど、無視され続けてきたエコー

 

そんなエコーたちがいたことに気づいて、会いに行き、そっと寄り添い、対話をしていく。

 

そんな過程そのものが、自分とつながることができ、自分自身のことがそんなに悪くないかも・・・と思えるようになってくるという作用もみられます。

 

どんなエコーも、私たちの目の前にあらわれてくれたということは、存在をわかってほしい。話を聞いてほしい。助けてほしい。本当はそう強く思っているのです。

 

そんな「過去に傷ついたわたし」を、「今ここにいるわたし」が助けに行くことが出来る

それが、マトリックス・リインプリンティングです。

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

またお会いできたら嬉しいです。

 

ではまた

心に優しい身体カウンセリング日和風
佐藤海糸でした。