自動思考は変える?変えなくていい?
こんにちは
もう二度とうつになりたくない方をサポートしている
カウンセリング・セラピー・セルフケアの日和風
身体心理セラピストの佐藤海糸です。
私は、以前、復職支援のプログラムに参加していたことがありました。
今振り返ると、そこのスタッフさんはいい方ばかりでしたし、一緒に参加されていた方々も心優しき人たちで、本当に恵まれた環境でした。
当時は、そんな風に思えなかったけれど・・・。
恵まれた環境であっても、受け取る側が、ここでいうと、当時の私はそれを感じて、受け取れる力がなかったので、恵まれていると感じることができなかったんですよね。もったいない。
今からでも言っておこう。ご一緒した皆さん、その節はありがとうございました。
そこでは、さまざまなプログラムがありましたが、その中でも、今でも心に残っている場面があります。
それは、認知行動療法のクラスでのことでした。
認知行動療法は3.4人のグループで進めていくスタイルで、何回か進んできた時、参加者のひとり、Aさん(30代会社員)が、担当のBさんへこんな質問をしました。
「自動思考を変えるにはどうしたらいいんですか?」
*自動思考とは:何かの出来事や状況に対して、瞬間的に無意識に浮かぶ考えやイメージのこと
Bさんはこう答えました。
「自動思考を変えるとかそういうことは考えなくていいの。そういうものなの。」
その回答を聞いた、Aさんは、一瞬、固まってから
「変えられないんですか・・・」と
とてもがっかりしているように見えたんです。
その当時の私は、自動思考を変えられないこともないんじゃないかな~と思っていたのですが、心理学や心理セラピーを学び始めたばかりで確信が持てず、その方に何も伝えることができませんでした。
実際にAさんがどう感じて、どのように理解されたのかはAさんにしかわかりません。
でも、「自動思考は変えられないもの」と認識されてしまったのではないかと、ずっと気にかかっていたのです。
今、この方がどうされているのか知る術もありませんが、もし再び会うことができたなら
もしくは、タイムマシーンに乗って、当時に戻ることができたのなら
「ちょっと待ったー」
と叫びたいのです。
そして
自動思考は変えることもできるし
変えられなくても、減らすこと、小さくすることもできるし
ネガティブな自動思考が出てきたとしても、持ち堪えられる自分になることもできるんだよ
とお伝えしたいのです。
だから
無理に、自動思考を変えなくてもいいし
反論やバランスの取れた考えを探す必要もないし
そもそも、出てきた自動思考を否定しなくていいし
ネガティブな自動思考しか出てこない自分のことを否定しなくていいんだよ
とお伝えしたいのです。
はあ、やっと叫ぶことができました。
当時の私には、考えつかないような答えがあったんです。
かなり大袈裟に聞こえるかもしれませんが
うつを経験した人にしか、見ることのできない素晴らしき世界があるんです。
突然ですが
「くじらぐも」と言うお話をご存知でしょうか?
「くじらぐも」とは、小学校1年生の国語の教科書にも掲載されているお話で
作者は「ぐりとぐら」や「いやいやえん」の中川李枝子さんです。
4時間目の体育の授業中に、くじらぐもと出会い、担任の先生とクラスのみんながくじらぐもに乗って、いろんなところを旅するお話です。
「くじらぐも」が子どもたちにこう言うんです。
「おーい」
「ここへおいでよー」
そして、子どもたちは
「天までとどけ、1,2,3!」
と、みんなで手をつないで、何度もジャンプして、
最後は、くじらぐもの上に乗ることができるのです。
こんな風に、みんなでよくなって行けたらいいなと思っているのです。
今日も1日、無事に終わりますように。